石畳の道に三越本店や老舗の和菓子屋が並び、歴史と現代が心地よく混ざり合う、日本橋室町。歩くだけで少し特別な気持ちにさせてくれるエリアです。
そんな街角に、私が以前からずっと気になっていたお店があります。レトロな看板が印象的な「ミカド珈琲店 日本橋本店」です。

落ち着いた雰囲気の外観は控えめながら存在感があります。
何度も「今度こそ入ってみよう」と思いながら通り過ぎていましたが、今回思い切って扉を開けてみました。
三越前駅から徒歩2分、昭和レトロな珈琲店

ミカド珈琲店は、東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅から歩いてすぐの場所にあります。パッと目を惹く朱色の看板に、茶色いタイル張り。昭和を思わせる趣がある外観です。
窓からは、カウンターでコーヒーを淹れるマスターの姿が見えます。今どきのおしゃれなカフェとは違う、時間を重ねてきた安心感のある佇まいです。
「ちょっと寄っていこう」と気軽に立ち寄りやすく、駅近なので仕事帰りや買い物の途中にも利用したくなります。
三層に分かれた店内、それぞれの過ごし方
ミカド珈琲店は3階建てになっており、階層ごと過ごし方が異なるのが特徴です。
1階は立ち寄りやすいコーヒースタンド。

出勤前に新聞を読みながらコーヒーを飲む人の姿が似合います。忙しい朝でも数分で一杯を楽しめるのは、この街で働く人にとって大きな魅力です。
2階はテーブル席が並び、やわらかな光が差し込む落ち着いたフロア。
窓際に座れば街の景色を眺めながら、家族でちょっと休憩するのにぴったり。休日にお子さんと一緒にソフトクリームを食べながらくつろぐ姿が目に浮かびます。
さらに3階は、静かで常連さんが本を読んだり、ご夫婦がゆったりとお茶を楽しんだりしていました。
街中の喧騒から離れ、夫婦で穏やかな時間を過ごせる隠れ家的な空間。
フロアごとに雰囲気が異なり、その日の気分に合わせて過ごし方を選べるのも魅力です。
日本橋ブレンドとミカド珈琲のモカソフト®でひと休み
初めて訪れた私に、店長さんが温かい笑顔で勧めてくださったのが「日本橋ブレンド」。

日本橋本店限定の特別なブレンドで、街の雰囲気に合わせて何度も調整を重ねた味わいに仕上がったコーヒー。創業から受け継がれているミカド珈琲店の代表的なブレンドでもあります。
運ばれてきたコーヒーは、香りだけで心がほぐれる一杯。口に含むと、甘み・苦味・酸味のバランスが取れており、後味は驚くほどすっきり。毎日でも飲みたくなる味でした。
一緒に頼んだ「ミカド珈琲のモカソフト®」は、コーヒーのほろ苦さとミルクのまろやかさが調和した、老若男女に愛されているデザート。
休日に子どもと一緒に楽しむのはもちろん、夫婦で散歩の途中に立ち寄って食べるのも贅沢な時間になるはずです。
1948年創業の老舗。変わらぬおもてなし

ミカド珈琲店は1948年創業。2025年で77年を迎えた老舗です。
まだコーヒーが珍しかった時代に、日本橋でヨーロッパ式スタンドコーヒーショップをスタートしたコーヒーロースター。
「日本人が作るコーヒーが世界に通用する味を作る会社」という思いから、「MIKADO」と名付けられたそうです。
当時は日本橋の店先で焙煎しており、その後、現在の埼玉県三郷市の自社焙煎工場でコーヒー豆を焙煎しています。
創業以来「日本人の味覚にあったコーヒーの味、飲み方」を追求し、時代が移り変わっても品質とおもてなしの心を大切に受け継がれてきました。
スタッフの方々も親しみやすく、おもてなしの心をもって接してくれます。初めて訪れた私にも、商品の説明などを笑顔でしてくださり、このカフェが地域に根付いていることが伝わってきました。
こうした温かさこそ、この街に暮らす魅力のひとつだと思います。
日常の中で特別な時間を味わえる「ミカド珈琲店 日本橋本店」。
通勤途中に立ち寄る一杯、休日に家族で楽しむモカソフト、夫婦で静かに過ごすひととき。日本橋室町に77年間寄りそってきた、暮らしに安心感と彩りを与えてくれる珈琲店です。
落ち着いた佇まいの奥に広がる居心地の良さに触れると、「この街に住んでよかった」と思えます。
ぜひ一度、立ち寄ってみてくださいね。
ミカド珈琲店 日本橋本店
住所:東京都中央区日本橋室町1-6-2(※)
アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」から徒歩約2分
電話番号:03-3241-0530
営業時間:平日 7:00-17:00、土日祝 10:00-18:00(L.O.閉店30分前)
定休日:不定休
駐車場:なし(近隣にコインパーキングあり)
(※)2025年9月末日で現店舗は閉店し、10月上旬に日本橋都市再開発の為、約6年仮店舗へ移転されますので10月以降ご来店される際は仮店舗住所へいらしてください。
仮店舗住所
東京都中央区日本橋室町1-12-15